「E-パネット工法」はコンクリートの品質面(建築物基礎の高品質化・高耐久性)及び施工面や企業経営面(産業廃棄物削減、技術者不足・熟練工不足対応・高齢化対応、安全や職場環境保全、省エネ化)からも今後のコンクリート基礎工事を大きく変える可能性がある工法である。


社会的にも地球環境を守りCO2削減に貢献するなど、時代の要請に即した意義のある工法であるので、工学の専門家として「E-パネット工法」を推薦します。〈推薦文より抜粋〉

平成20年1月
金沢大学大学院特任教授
工学博士

 

 

広瀬幸雄教授の略歴

ひろせ・ゆきお/1940年(昭和15年)金沢市生まれ。
金沢大学大学院自然科学研究特任教授兼金沢学院大学知的戦略本部長・同大学院教授。

専門分野は計算力学。2003(平成15)年、「鳥を寄せ付けない銅像の科学的研究」でイグノーベル賞を受賞。

 

推薦の言葉

建築物の構造計算不正事件が世間を騒がしたことは記憶に新しい。
このため建築申請に関する手続きが厳格化され、建築確認の遅れによる着工遅延が生じ大きな社会問題になった。この間、世間の関心は建築物の品質面に集まった感があるが、特に建築を支えている基礎については、もっと関心を持っても良いと考える。
従来、建築の基礎は合板型枠にコンクリートを流し込んで作られてきた。
コンクリートが固まってから、この合板型枠は剥がされ土を埋め戻しているため、建物の基礎部分のコンクリートは地中に直に接した状態になっている。
今まであまり問題視されていないが、私は日頃からコンクリート表面が常に土や大気中にむき出しになっていることから引き起こされるコンクリートの劣化に強い懸念と不安を感じていた。
常時コンクリート表面を覆うことで劣化を防ぎ、コンクリートの品質を保持することにも、もっと関心を向けるべきである。
このような視点でコンクリート表面を常に覆いコンクリートの品質を維持している工法に日本環境製造鰍ェ開発した「E-パネット工法」がある。

 

「E-パネット工法」とは、合板型枠(コンパネ)に変わる鋼製型枠の「E-パネット」を活用した従来工法とは一線を画した画期的な基礎型枠工事の工法である。

 

「E-パネット」は厚さ0,4ミリの超薄型の特殊波形リブの形状をしており、従来の合板型枠に不可欠であった養生期間後の解体作業をなくし、基礎の一部として利用する画期的な鋼製型枠である。
この工法の技術的な優位点は、鋼製型枠を解体しないことにある。
「E-パネット工法」はE-パネットを剥がさないため、鋼板が常時コンクリート表面を覆っており、その結果コンクリートの品質保持に関し次の点で非常に効果的となっている。

 

(1)中性化反応の進行を防止できる。

コンクリートは強アルカリ(PH11以上でアンモニアと同程度)の時、所定の強度を維持できるが、大気中の炭酸ガスや酸性雨の影響で時間の経過とともにコンクリートの表面から中性化され(PH10以下から中性化が始まる)、コンクリート内部の鉄筋の不動態皮膜が破壊され、錆が発生し、鉄筋が膨らみ、コンクリートにひび割れを起こす。「E-パネット工法」は表面を保護することで炭酸ガスや酸性雨等とコンクリートが直接接触しなくなり中性化を遅らせることが出来る。
尚、素材に塩素やアルカリにも強い高耐食性メッキ鋼板スーパーダイマ(新日本製鐵製)を使用しているため鋼板自体もコンクリートの強アルカリ性に耐えるとともに、コンクリートの中性化防止に効果を発揮している。
更に、海沿い地域では海風による塩の付着や海水の飛沫からコンクリート構造物を防御し、劣化防止にも役立っている。

 

(2)養生期間が超長期的に続くことで、コンクリートの強度が増す。

合板型枠は通常、1週間程度の養生期間後に解体されるが、コンクリートの養生期間は長いほうが強度を増すことが知られている(土木学会「土木材料実験指導書」による)。
「E-パネット工法」は解体をしないため養生期間が超長期となり、コンクリートの水和反応がゆっくりと進み、コンクリート本来の強度が発現しやすい。

 

(3)コンクリート表面の急激な乾燥によるクラックを防止できる。
コンクリートは表面の乾燥による収縮でクラックが発生するが、打設後一定期間適切な温度と湿度を保持することで急激な乾燥を防止できる。「E-パネット工法」は、表面を保護することで十分な保湿を確保し、急激な乾燥によるクラックの発生を防止する。また、飛散物などの有害な外力からもコンクリートの表面を保護し、予期しない外力による破損・破壊からコンクリートを保護している。

 

(4)セパ穴から余浄水を排出し、長期的なひび割れの発生を防止する。
鋼板が表面を覆うことで、水和反応がゆっくり進行し、ブリージング水がコンクリートの表面を養生する。更にフレッシュコンクリート中の水分の半分程度は水和反応に必要のない余剰水であるが、E-パネットに設置されたセパ穴から排出されるので、コンクリートの余剰な水分量が減少する。これによりコンクリートの乾燥収縮量が減少し、乾燥収縮に起因する長期的なひび割れの発生も減少し、品質確保に大きく貢献する。

 

ところで近年、合板型枠について次のような多くの問題が出されてきた。

 

  1. 合板はインドネシアやマレーシアといった東南アジア諸国の森林を伐採した南洋材で作られているが、森林伐採は地球環境破壊(森林破壊)の原因として原産地でも問題になっている。このため伐採規制が強化され、入手難が引き起こされている。合板型枠の利用は地球環境保全に逆行しているといえる。
  2. 合板型枠は数回の使用で品質が劣化し、使用できずに産業廃棄物となっており、建設業界で産業廃棄物が大量に発生する原因の一つに上げられている。
  3. コンクリート面の平滑化や型枠を剥がすため、合板型枠には化学薬品や剥離剤が塗布されている。こうした化学薬品も環境汚染の原因となっている。
  4. 今までコンクリート型枠の材料として全世界で使われてきた合板型枠は、最早、最良の材料とはいえなくなっている。
    合板型枠の使用を制限しなければならない時代である。

    更に、「E-パネット工法」は施工面でも次のような優れた点がある。

     

  5. 工場でのプレカットにより建て込み中心の施工になるので、作業が簡素化するため熟練度をあまり必要とせず、作業工数が伸び工事期間の短縮に大きく貢献する。また、職人の高齢化、作業員不足、熟練技術者不足にも効果的である。
  6. 合板型枠とは違い、産業廃棄物を出さない工法である。また、搬入搬出に余計な資機材がいらず、運搬費や型枠を転用する費用(整備費・倉庫料)のほか、多くの解体職人手配も必要がないなど現場作業量削減にも寄与する。
  7. 超薄型で重さが合板型枠の3割程度と軽く、作業の“キツさ”を大幅に減らした。また100枚での厚みも合板型枠が6メートルに対し、「E-パネット」は40センチと場所をとらないため、作業現場の整理整頓や安全面にも多大に寄与する。

 

以上述べてきたように、「E-パネット工法」はコンクリートの品質面(建築物基礎の高品質化・高耐久性)及び施工面や企業経営面(産業廃棄物削減、技術者不足・熟練工不足対応・高齢化対応、安全や職場環境保全、省エネ化)からも今後のコンクリート基礎工事を大きく変える可能性がある工法である。
社会的にも地球環境を守りCO2削減にも貢献するなど、時代の要請に即した意義のある工法であるので、工学の専門家として「E-パネット工法」を推薦します。

 

 
 
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